ファクタリングは負債にならない
ファクタリングは会計処理において負債にならないというメリットがあります。仕分けの観点でも、売掛金という資産が減少すると同時に、未収金として資産が増加します。負債にならずに早期に資金調達ができる点で、経営に困っている企業には非常に使い勝手が良いものです。
銀行などの融資機関からすると、なるべく負債の少ない企業に貸付を行いたいというのが原則です。全て融資に頼るのではなくて、ファクタリングを活用することによって負債が少なくなります。それによって、銀行からの融資も受けやすくなるという良い循環が生まれます。この負債がない、というのが経理処理からみたファクタリングの一番のメリットだといえます。
ファクタリング利用による貸借対照表や損益計算書の違い
実際に、ファクタリングを利用した場合と、しなかった場合の貸借対照表や損益計算書の違いをみていきます。
→資本金100万円の会社が、70万円で仕入れた商品を100万円で掛売りした場合
ファクタリングを利用
①仕分け(商品の仕入れ)
借方 | 貸方 |
---|---|
仕入(費用)70万円 | 現金(資産の減少)70万円 |
②仕分け(100万円で掛売り)
借方 | 貸方 |
---|---|
売掛金(資産の増加)100万円 | 売上(収益)100万円 |
③仕分け(手数料20%でファクタリング後、即入金された場合)
借方 | 貸方 |
---|---|
現金(資産の増加)80万円 売掛債権売却損(費用)20万円 |
売掛金(資産の減少)100万円 |
■損益計算書
売上 100万円 |
仕入 70万円 |
売上債権売却損 20万円 |
当期純利益 10万円 |
---|
■貸借対照表
借方 | |
---|---|
現金 110万円 | 資本金 100万円 当期純利益 10万円 |
売上債権売却損 20万円 | |
当期純利益 10万円 |
ファクタリングを利用しない
ファクタリングを利用しないわけですから、上記の③の仕分けがカットされます。
■損益計算書
売上 100万円 |
仕入 70万円 |
当期純利益 30万円 |
---|
■貸借対照表
借方 | |
---|---|
現金 30万円 売掛金 100万円 |
資本金 100万円 当期純利益 30万円 |
売上債権売却損 20万円 | |
当期純利益 10万円 |
貸借対照表や損益計算書の違いから分かるメリットとデメリット
上記の貸借多少表や損益計算書の、ファクタリングが利用された場合とされなかった場合の違いをみて、一目瞭然な会計処理におけるメリットとデメリットがあります。
仕分けの点で言うと、貸借対照表が軽くなるというメリットがあります。今の経営は、できるだけ負債や資産を少なくしてスマートにする方向性に向かっています。これを資産のオフバランス化と呼んでいます。このように、ファクタリングでは手数料(売上債権売却損)が支払われるために、貸借対照表を軽くすることができます。
一方で、収益が落ちるというデメリットがあります。これも、手数料の影響だといえます。
コメントを残す